BOOKBOX ライティングの未来形




第1回

中田正則アーカイブ
「ライティングからビジネス経済が見えてくる」




ライターは時代を映す鏡か

中田正則が書いてきたものは膨大である。
取材した企業はざっと500社、インタビューした相手は約2000人という。

熟練の経営者もいれば、気鋭の起業家もいた。
社長を凌ぐナンバー2は、予想通り、その後トップを射止めた。
オンザエッジの堀江貴文氏やミクシーを率いる笠原健治もいた。
当時の彼らは無名だが、やはり鬼才の経営者は、記憶に焼き付いているという。
彼等は、その後、一気に上昇気流に乗り、大経営者に駆け上がる。

他にも、ビットバレー族の若手社長の多くの書いた。
その頃の渋谷は言い知れぬ活気で満ち溢れていたが、脆い浮遊感のような空気も読めた。
彼の取材を受けた後、人知れず消えていった大経営者も数知れない。
スキャンダルで壊れた会社もあれば、復活した会社もある。
未だに係争中の経営者の顔も浮かぶ。

彼のライティングの世界は、そのまま日本経済の潮流を示していると言っていい。
描き切る先は、ビジネスとしての日本の姿そのものである。
まさにバブル経済全盛期に突入しよとする1984年、中田はフリーのライターとなる。
しかし、絶頂は長くは続かない。フリーライター諸子にも甘く刺激的な狂乱の夜は、簡単に明けたのだ。
それから四半世紀、中田正則は、フリーで在り続けてきた。

フリーランスのら―タ―として、25年を生き延びていくことは、そうたやすいことではない。
その極意とはいったい何だろう。

90年代の失われた時代。誰も容易に顧みようとしない経営の不覚、政策の不在。誰もが目をそむけようとする中で、中田の目は静かにその世界を見開き続けた。そこには、企業家たちをめぐる不遇や無知、振る舞いや所作の知恵も垣間見ることができる。
だが、その筆致は、一様に暗くもどかしい。

彼の文脈に頼れば、日本経済の新世紀は、力なく静かに明けたと言える。
そして、いつしか我々は、ゼロ成長時代にも慣れ切った山裾にいる。
現在、我々は、自嘲気味に、交替する日本経済の後ろ姿を見ながら、山裾を下りているのだろう。美化ではなく現実として。

彼のスタイルは常に客観であり、第三者である。自身もそれを意識している。徹底的に主観を排除しようとする文体は、時代をそのまま投影し、反射鏡となってビジネスの実相を結んでいる。だから「日本経済」の25年間をざっと知るには、中田正則の業績を斜めに読むことで済む。そこに等身大の実物経済の姿がある。



ゼロ成長時代



2010年
「 NTTコミュニケーションズ--プロジェクトの目標・成果も通常の仕組みのなかで個人別に評価」
「学舎探訪-研修施設の最新事情(最終回・15)-日立電子サービス」
「ワタベウェディング--面接から内定までを1日で終える"ワンデー面接会"を実施 (採用マネジメントの再構築)」
「NECソフト--勤務時間内にマッサージを受けられる「リラクセーションルーム」を開設 (特集 企業福祉の戦略的展開) 」
「ディスコ--フィットネスジムやプール等の健康サポート施設を設置 (特集 企業福祉の戦略的展開)」
「決算書にない企業価値あります モンベル(Vol.3)マーケティングより社員の「ひらめき」を大切にする」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(14)富士電機ホールディングス」
「第一生命--役割等級から職責グレード制へ。ミッションや求める人財像を明確にして評価・処遇 (特集 管理職の人事評価)」
「コニカミノルタホールディングス--役割遂行度の評価に多面評価を導入。管理職に気づきを与え行動変革を促す (特集 管理職の人事評価)」
「決算書にない企業価値あります 関ケ原製作所(Vol.2)全員が毎日学び、技を磨くニッチな「工業製品の匠」企業」
「池の平ホテル "ありがとうカード"や"作業手順指示書"などの施策で、モチベーションを高め社内を活性化 (特集 褒める、認める、働きやすい!!) 」
「決算書にない企業価値あります 六花亭製菓(Vol.1)「今の規模で十分」なことから得られる社員の幸せ」
2009年
「学舎探訪--研修施設の最新事情(12)サントリーホールディングス」
「高島屋--高齢者向けの短時間勤務制度を拡充 (特集 短時間勤務社員の処遇)」
「「家内工業」の魅力と強み(最終回)大峰化学 少量多品種に対応し堅実経営を守るプラスチックの「何でも屋」」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(11)日立建機」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(12)サントリーホールディングス」
「高島屋--高齢者向けの短時間勤務制度を拡充 (特集 短時間勤務社員の処遇)」
「「家内工業」の魅力と強み(最終回)大峰化学 少量多品種に対応し堅実経営を守るプラスチックの「何でも屋」 」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(11)日立建機 」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.11)東亜計器製作所 気象庁も使う「基準温度計」 全工程を手作りする10人の職人技」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(10)サンデン」
「 「家内工業」の魅力と強み(Vol.10)山崎研磨工場 家族一丸となってビアマグカップを手作業で「心が映るほど」磨き上げる」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(9)リコー」
「富士ゼロックス 役割基軸を徹底するために全社共通の職務(役割)評価ツールを活用 (特集 ホワイトカラーの職務評価&人材開発)」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.9)大野精密 30年の歯車作りから生まれた「からくり人形」で不況を乗り切る」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(8)東急車輛製造」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.8)篠原風鈴本舗 冬にフル稼働生産、夏に集中販売 家族一丸となった効率的な風鈴作り」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(7)ALSOK綜合警備保障」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.7)朝日ファスナー 他社(よそ)とは違うファスナーを作ります--「小さくてもキラリと光る」モノ作りの知恵」
「特集 「お得さ追求」「ファンづくり」「安定基盤」 3つのキーワードから学ぶ 不況でも「最高益」達成の戦略」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(6)川崎汽船」
「日本ユニシス--「価値創出力」「役割」「成果・業績」の3つの視点で評価 (特集 仕事の質を高める人事評価)」
「ヤンセンファーマ--健常者と情報を共有し,実績を積み重ねて職域を拡大 (特集 個人の特性を活かす障害者雇用)」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.6)白木屋中村傳兵衛商店 紆余曲折を経て行きついた箒を「年3万本手作り」できる規模の経営」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(5)サカイ引越センター 」
「 りそな銀行--「支店長」を廃止,専門性に基づき部長が役割分担 (ポスト「組織フラット化」)」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.5)小出製作所 従業員4人だから新分野に取り組めた 「世界で一番小さい」シンバルメーカー」
「いま注目が集まっている 景気に左右されない「すご腕バイヤー」の目のつけどころ」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(4)東京ガス」
「森山産業宇都宮工場--職場からグループ、関連職場へと「職掌・多能工化」を拡大展開 (多能化で会社の足腰を強くする) 」
「星野リゾート--縦割り組織の問題点を多能化で解消して、生産性向上 (多能化で会社の足腰を強くする)」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.4)アーウ精機製作所 「残業の社員に手料理」「給料は現金手渡し」社員が一丸となって挑む高付加価値なモノづくり」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(3)東急ストア」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.3)日本ホームスパン 「機械は古いがシステムは最先端」手作業で独自の生地を織り上げる」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(2)富士重工業」
「住友林業 中間管理職・初級管理職および被考課者の3段階で研修を実施、コアとなる「部下育成マネジメント研修」ではフィードバックに特化 (特集 社員の働きがいを高める「人事考課者研修」)」
「五十鈴--組織的な人財価値創造・育成を主眼としたチーム単位のサイクル (目標管理の効果的な運用) 」
「「家内工業」の魅力と強み(Vol.2)大矢製作所 江戸時代から伝わる手作り銅製「おろし金」へのこだわり」
「学舎探訪--研修施設の最新事情(新連載・1)協和エクシオ」
「 「家内工業」の魅力と強み(Vol.1)根本機械製作所 超大手メーカーの試作部品を作る親子3人「機械密度世界一」の工場」