BOOKBOX|「日本語は弁護の最大の武器」馮素芳






























最近、どのような本を読まれましたか?

最近、落ち着いて本を読む時間はあまりないのですが、三島由紀夫の「春の雪」(『豊饒の海』4部作の第1部)という小説をベッドの傍において、寝る前に少しずつを読んでいます。しかし、難しい言葉が多いため、なかなか進まない状況です。

また、仕事の関係で、当事務所内部発行の「最新法令速読」、みずほコーポレート銀行発行の「Mizuho China Monthly」、ANBOUND GROUP 発行の「毎日経済ニュース」、「毎日金融ニュース」などのオンラインユースは、時間がある限り、毎日目を通します。

エッセイは、日本語で書かれていますね。
日本語について、どんな印象を持っていますか?

日本語は大好きです。
日本語に対する印象ですが、上品で、丁寧で、柔らかい印象が強いです

弁護士も「言葉」を大切にしなければならないプロフェッショナルですね。
日頃、「言葉」に対する感性とか、思い入れは、どのようにお考えですか?
あるいは、どんな「言葉」が好きですか?

クライアントはほぼ日本企業ですので、仕事の日常連絡には主に日本語を使っており、日本語でメモ、意見書などを書くことも多いです。

弁護士の仕事は、難しい問題を正確で、厳密でかつ分かりやすく説明することを高く求めるものです。

私自身は、丁寧で柔らかい言葉が好きです。しかし、日本語は母語ではないため、伝えたいことが日本語でうまく表現できない場合もあり、そのとき、ちょっと悔しいです。

一生日本語を勉強し続けるつもりです。

法律用語は一般の人々には難しいですね。

確かに、普段、法律を使わない人たちにとっては、法律用語の中には、見慣れない硬い言葉が多いですね。

これは、業界の慣習でもありますが、契約作成の際に、わざと難しい言葉を使ったり、煩雑な表現にしたりする弁護士もいます。そうした原因の1つは、相手に不利な契約内容が簡単に見破れないための工夫でもあると思われます。

法律用語を使う場合、クライアントへの説明や弁護の際、どのような点に配慮し、心掛けてい
ますか。

クライアントへの説明を行い、又は意見書を作成する際に、色んなことを配慮する必要があります。

たとえば、クライアントの法務部担当者の多くは多忙によるストレスが大きく、複雑な長文を読むのを嫌います。そこで、苦痛にならないよう、だらだらとした長文ではなく、可能な限り短い文書を使用します。

表や図解で説明できる内容は、可能な限り表や図解を使用し、長文での文字説明を避けています。

また、文書の連続性と厳密さを図るため、頻繁に使用する長い単語は可能な限り略称を設けるなどしています。

さらに、クライアントにあまりなじみがない概念または略称(特に中国法上の概念)は、かならず注釈を付けるようにしていますね。

重要は法令はメールの添付文書として、さほど重要ではない法令も公布・実施期日は法令の文号を記載し、クライアントが原文を探しやすいようにするなども効果があります。

意見書を読むクライアントの担当者の中には、プロジェクトの背景を完全に把握していない場合も多く、そのようなときに備え、法律意見書の前書きでは、「本件背景」などの部分を設けて、プロジェクトの背景、概要などを簡略に説明するようにしています。

長文となる法的意見書については、詳細内容を読む時間がなく、結論のみに関心を持つクライアントの管理職等が読みやすいよう、冒頭または終わりの部分に「結論」を設け、太文字または下線で強調するなども工夫しています。

あなたは、学生のころ、物書きを目指そうかと考えたこともあると訊きます。言葉を武器に使う点では、弁護士も作家も同じです。異なる点は、どのような点だと思いますか?

たしかに、学生のころ、純愛小説を書くのは好きでした。
理性的な言葉より、感情的で美しい言葉の方は好きでしたが、弁護士になってから、仕事からの要請に応じて、言葉や文章のスタイルが徐々に変わってきました。

作家は、美しくて、変化に富んで、人の心が惹かれるような言葉を使う場合が多いですが、弁護士の言葉は、厳密性、論理性、客観性などが問われるものですので、派手な言葉を使うことをむしろ避けるように気を付けています。

もし、あなたのエッセイが電子出版されるとしたら。

自分が書いたエッセイが電子出版されることができれば、とてもうれしいです。